2011/06/15 (Wed) ご挨拶
2011/05/13 (Fri) 東北巡礼 その2
2011/05/13 (Fri) 東北巡礼 その1
2011/01/02 (Sun) 万治の石仏
2011/01/01 (Sat) 諏訪大社 蛙狩神事

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奥から出てきた人が、奉納者と奉納品目を声高に諳んじる。
なかなかの名調子に拍手喝采。
そして、奉納の礼に鞍馬を舞うことを告げる。

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鞍馬。
鞍馬と言うからには、天狗と義経公なのだろう。
右に左に飛び交い、刃を交え対峙する。
心なしか観客も白熱した面持ちで見守る。

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実際私も、昨年見た鞍馬をもう一度見たいと思っていたので、
今回も見ることができ幸運だった。


そして最後は権現舞。

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舞人が祈りを捧げた後、獅子頭を纏い権現様と化す。

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カチカチと歯を鳴らして上下左右に動き廻る。
途中、奥から氏子だろうか?人が数人出てきた。
それぞれが祈りを捧げ、それに応えるように
権現様があごを頭に乗せて、カチカチと歯を鳴らす。
その後、並んで権現様の下を潜り抜けていった(胎内潜り)。

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次に、桶に入った水が出てくる。
水を汲んだ柄杓を口にくわえ、囃子方の顔の前に差し出す。
きっと囃子方を労う意味を持っているのだろう。
神楽も終わりに近い。

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柄杓を周りの観客達にも向けて廻る。
これでお仕舞いだ。
中の舞人が獅子頭から解放され、バッと幕の奥に消えていった。







ざわざわと周りの観客達も撤収しはじめた。
私は幽玄と現実の狭間で、しばらくの間茫然としていた。

すっかり人がまばらになった境内。
陸奥の短い夏の夜は、こうして更けていくのであった。

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宵闇に喧噪。
神楽殿を中心に、観客が取り巻いている。
7月31日午後8時、渓流での釣りを終え、
早池峰神社に着いた時には、もうすっかり祭りは始まっていた。
神楽は前半が終わり、後半の大償の神楽奉納が始まるところだ。
早池峰の神楽は、室町時代から続く伝統。
岳集落の早池峰神楽と大償集落の大償神楽とで
技を競い合ってきた為、今でも完成度の高い神楽が残っている。

友人Kと共に落ち着く場所を探す。
Kの肩にはビールのぎっしり詰まったクーラーボックス。
先程の釣りは、どちらが酒を飲めるかを賭けた重要な勝負だった。
夜神楽に酔いつつ酒に酔うとは、これ最高の一時。
そして…負けた方は、帰りの運転。

残念ながら、今回は私が運転役だ…

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そうこうしているうちに、神楽が始まる。
鳥舞は、女装に鳥の兜。二人組で行う舞で、
跳ねる動きが結構激しい。
片方が年長者で、もう片方はまだ若い男の子。
さすがに年長者の舞にはキレがある。
若い子も、もう何年もすれば立派な舞人になるのだろう。

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続いての演目は翁舞。
白面の翁面が風格溢れる。
扇を使った優雅な舞だ。

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三番叟。
翁舞と対をなす黒い面を被る。
口上は威勢良く、動きも滑稽。
一説では蛭子命舞ともいわれるそうだが、
私にはどうしても猿に見えてしまう。
烏帽子を被った猿だ。
実際三番叟を検索してみると、明らかに猿の面を被ったものや、
三番叟猿と称するものもみられる。
最近の私のテーマの一つに、猿と馬の信仰があるだけに、
非常に気になるところだ。

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八幡。
陸奥で八幡、しかも弓を使うとなれば、
源八幡太郎義家公のことかと思っていたが、
八幡神そのものを称える舞のようだ。
品夜和気命と品陀和気命、つまりは神功皇后の子で、
弟の品陀和気命(誉田別尊)は言わずと知れた応神天皇。
二人の舞人が激しく行き交っては止まる、を繰り返す激しい舞だ。

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山の神。
早池峰神楽の元となっている山伏神楽と密接に関わっている舞。
私は詳しくないのだが、密教の印相を結び九字を切っているらしい。
(臨・兵・闘・者・皆・陳・列・在・前の九字)
そして、米を見定めているような仕草を繰り返す。
五穀豊穣を祈祷しているのだろうか。

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途中、背後の幕の奥に引っ込んだかと思うと、
赤い面の山の神の面を外し、舞人が素顔をあらわす。
一般的に山の神は女神だと言われているとおり、
腰には女物の帯を巻いている。
面を被った時とは打って変わって激しい舞だ。
止まって囃子が口上を述べているときは、
扇で顔に風を送っているが、風で髪の毛が逆立つさまが、
山のざわめきのように感じられる。

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岩戸開。
翁面の舞人が一人で舞った後、他の三人が背後から出てきて
殿上をぐるぐる舞い踊る。
これは、先々月高千穂で見たものと同じ題材だが、
様相はかなり違っていた。
高千穂では、本当に岩の張りぼてを持ち上げたりして、
もっと演劇的だったのだが、こちらは純粋に舞のみで表現する。

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天布刀玉命、天児屋根命、天手力男命が
天照大神を岩戸から誘い出したところらしいが、
ちょっと難解だった。



ここで一旦小休止。ここまでが式舞表六番。
夜通し行うときは、これに裏六番も加わるそうだ。
観客も最初と比べて大分減ってきた。
見やすい位置に移動して、屋台の郷土料理を食べるとしよう。
Kがニヤニヤしながら烏龍茶を注いでくれる。
運転しない彼は、ほとんどビールを飲み尽くしたらしい。

つづく


早池峰には毎年訪れているのだが、
実は遠野をちゃんと見て回ったことは一度もなかった。
それは早池峰神社の祭り見物は、
”毎年恒例夏キャンプ”に組み込まれているので、
いつも祭りを見た後は、早々にキャンプ生活に入るからだ。
そして、日中は釣りと温泉と料理三昧。

今回は私の研究熱?も高まっていることもあり、
私だけ別行動で遠野を回ることにしたのだった。


まず訪れたのは附馬牛町の早池峰神社。
早池峰神社は、早池峰山の山頂に奥宮が鎮座し、
四方の登山口にそれぞれの早池峰神社が里宮として存在する。
遠野物語第28話は、早池峰開山にまつわる話で、
猟師何某が早池峰に道をつけたのが、この附馬牛だったという。
そのように由緒正しい登山口にも関わらず、
附馬牛の早池峰神社は人っ子一人見当たらず、
岳の早池峰神社と比べて随分寂しい有様だった。


神社向かって右側に小学校があるが、
柵も何もないうえに、社務所への門は小学校の職員室の前。
三つ子の魂百まで、というが、この年になっても
やっぱり職員室は落ち着かないものよ。

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正面の鳥居から境内に入ると、まず目に飛び込んでくるのが
藁葺きの立派な神門。
木を輪切りにした野趣あふれる額に早池峰神社としたためてある。
その門を潜り、木漏れ日の参道をまっすぐ進むと、
さらに赴き深い藁葺きの建物が見えてくる。
割拝殿といい、祭りの際には中央の通路に板を渡し、
神楽殿として使用する。
屋根には緑鮮やかな草が生え、脇には百合の花が一輪。
静まり返った境内に、蝉の声だけが響き渡る。
拝殿の内部には早池峰神社の旗が無造作に掛けてあった。
風に微かに揺れる旗が、夏の暑さを一時忘れさせてくれた。

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拝殿の先には石段があり、本殿に続いているようだったが、
私は右脇にある手水所を見て驚いた。

不動明王の石像とお地蔵様、そして巨大な鉄剣。
手水の柄杓までもが鉄製で、片手で水を汲むには重い。
例大祭のある岳集落の早池峰神社には、
彩色されたオブジェのような鉄剣があったが、
これほど立派な鉄剣が奉納されているのは初めて見た。
鍔の部分には昭和二年?奉納と彫られている。
酸化した赤黒い風合いが迫力満点だ。
改めて、早池峰が修験の信仰を集めていることを思い出した。

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石段を登ると、すぐ目の前が本殿だった。
堂々たる風格の銅板葺入母屋造。
額の早池峯山の文字が素晴らしい。
早池峰神社に結縁した感謝を祈り、私は本殿を後にした。

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追記。

本殿から、先に述べた社務所へ抜ける道に小さな社を見つけた。
中を覗いてみると、見事な金勢様が鎮座しておられた。
木造の、力強く躍動感あふれる立派な造りだ。
ここの金勢様の見事な造形は、
男の私でもちょっと赤面してしまうほどだった。

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