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2011/01/02 (Sun) 万治の石仏
2011/01/01 (Sat) 諏訪大社 蛙狩神事

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六所神社で見かけた藁蛇。

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境内の御神木に絡みついている。
小さいけれども、数が多い。
こちらは揖屋神社のように台座に載っているわけではないが、
頭の前にはちいさなアーチ型の台が用意されていた。
周りには小さな御幣が土に刺さっている。
この神社では、小さな御幣(荒神幣)がやたらと刺さっていた。
それも藁蛇の周りに限らず、何の変哲もない小石の周りなどにも刺してあった。

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どうもこの藁蛇、正確には荒神様への奉納物で、
藁大蛇とか、クチナワさんだとか呼ばれているらしい。
稲作に関連する水神を表現し、荒神幣は小分けにされ、
御神木のほか、井戸や水道にも祀られるという。

また、一部ではアラハバキとも呼ばれているらしいことも分かった。
アラハバキというと、これがまた謎に包まれた神とされ、
神話から消された神だとか、古代アラハバキ族の神だとか、
色々な説があるが、どれも空想の域を出ない。
民俗に見られるアラハバキは、この日記でも幾つか紹介してきたが、
それは巨石であったり足腰の神やイボ神だったりすることが多く、
藁蛇の形をしたものは、ここ出雲・伯耆地方だけの特徴のようだ。
アラハバキの「ハバ」は蛇の古語で、アラハバキは蛇神だとする説があるが、
なるほど、出雲のアラハバキはまさにそのまま蛇なのだ。

巷ではアラハバキは東北の神という認識が強いみたいだが、
アラハバキを祀る神社のリストを見ると、
出雲と伊予と三河と武蔵と陸奥に集中分布していることが分かる。
http://kamnavi.jp/jm/arahaba.htm
特にその中でも出雲と武蔵の多さは抜きんでている。
武蔵といえば、揖屋神社の日記でも触れた藁蛇の集中する土地である。
武蔵でこの藁蛇をアラハバキと呼んでいる話は聞いたことがなく、
多くは氷川神社などの「門客神」をアラハバキとしているようだ。
だが、国造の出自や出雲系の神社など、出雲と接点の多い地域だけに、
どこかで藁蛇の習俗とアラハバキが分離して残ったような気がしなくもない。

雲伯地方で藁蛇を木に巻き付ける習俗は、
実際は伯耆国、現在で言う安来・米子・境港に多いようで、
隣接する東出雲町もその影響を受けて、藁蛇を奉納しているのだろう。
伯耆国の古名・伯岐(はばき)国ともなにか関係があるのだろうか。
http://www.z-tic.or.jp/p/museum/digital/eizoudemiru/aki/

これが出雲の西、石見になると、神楽に藁蛇が大元神の御神体として登場する。
この藁蛇は託綱(タクツナ)と呼ばれ、神楽の終盤、綱貫~御綱祭で登場する。
託綱の名からも伺えるが、かつてはこの神楽で大元神を神降ろしし、
託宣を行っていたようだ。
この託綱も、神楽の翌日には御神木に巻き付けられる。
http://movie.pref.shimane.jp/culture/kagura.html

出雲・伯耆・石見で荒神様(三宝荒神といえば竈神)とくれば、
製鉄やタタラと結びつけたくなるし、結びつけば、
その他の地方のアラハバキも説明が付きやすくなるのだが、
いかんせん、タタラの中心地ハバキの国の荒神様が
水神だと伝わっていると、どうも辻褄が合わなくなってしまう。
そもそも出雲で蛇神というと、それは海の向こうからやってくるものだ。
旧暦十月、世間では神無月と呼ばれるこの月を、
出雲(と諏訪)では神在月と呼ぶことは有名だが、
なぜ十月に神が集まるか、ということはあまり知られていない。
毎年この月のころになると、出雲の海は激しく荒れる。
これを「お忌みさん荒れ」といって、人々は龍蛇様の到来を待つのだ。
龍蛇様とはセグロウミヘビのことで、灯火に寄り集まる黄金色の身体を、
出雲の人々は神と崇め、この頃を神の寄り集まる月「神在月」とした。
現在でも島根半島に鎮座する佐太神社では、
神在祭にて龍蛇様を御神体として迎え入れる神事が伝わっている。
(神在祭の期間中は、一般参拝者のために社前に安置されている
 とのことなので、いずれ拝見してみたいものだ。)


さて、山の鉱業や火の属性を起源に持つ三宝荒神と、
里にて稲作や水の属性を持つ荒神様。
果たしてアラハバキはそれを繋げるキーワードに成り得るのか、
興味は尽きるところを知らない。

















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