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11月19日

出発日。
予定では早朝から出発しようと思っていたが、
起きたらすでに早朝ではなくなっていた。

急いでも仕方がない。
今日はとりあえず日光方面に着けたら上出来と考え、東北道に向かう。

今回の目的地は、栃木、日光、奥日光、那須と大まかにしか決めていなかったのだ。
11時ころ出発で、栃木県に入ったのはもう2時頃。
とりあえず栃木インターで降りてみた。

栃木に降りたのは、出流山満願寺を見てみたかったから。
日光を開いた勝道上人の生誕に関わる土地であり、
また日光山へ入山するには、まずここで修行をしなければいけないともいう。
最初に訪れる場所として相応しいと思ったからだ。

栃木インターを降りて栄えてない方へ進む。
幾つかの集落を通り越し、石灰の集積場のど真ん中の、
一面真っ白な山道を進む。
本当にこんな所に?と疑問に思う頃に、出流山への矢印が出てくる。
これの繰り返し。

やっと辿り着いた満願寺。
新蕎麦の旗がはためく参道を脇目に、境内の駐車場へ。
なんと、観光バスが出ていくところだった。
そんなに有名なスポットなのか!?
…自分で訪れておいてなんだけど、正直驚いた。

車を停め、まずは満願寺に参る。
真言宗智山派別格本山で、坂東17番札所。
なるほど、観光客も多いはずだ。
斗栱(ときょう)に龍の木鼻がずらっと並んだ立派な本堂だった。

お参りを済ませ、本堂の脇の奥之院入り口へ。
300円を払い、細い細い山道へ入っていく。

急な階段もあるが、基本的には沢に沿った山道。
途中、一組の老夫婦とすれ違ったが、人にあったのはそれだけだった。

左手は岩山で、聖天堂経由の急峻な道もあるようだが、閉鎖されていた。
緩やかな道をひたすら登っていくと、小さな小屋があり頭上の木立が途切れた。
ひと休みだ、とふと空を見上げると、赤い建物が目に飛び込んできた。

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そこが奥之院拝殿なのだ。
絶壁をつづら折り階段に沿って一気に登った。
息を切らせながら奥の院の入り口に立つ。
改めて建築の構造をみると、凄いことになっていた。


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岩壁にへばりつくように、下から何本もの柱で支えている。
なぜこのような所に奥之院を建てるかというと、
岩壁の途中にある洞窟に建物を繋げるためだ。

奥の院に足を踏み入れる。
がらんとした板張りの空間の、奥に木造が安置してある。
木造の上手、岩肌がむき出した部分の前には賽銭箱があって、
なんとその奥はぽっかりと洞窟がぽっかり口を空けている。

そしてその洞窟に入ってみると、ものすごいことになっていた。

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十一面観世音菩薩の後姿。
脇侍は三面六臂の大黒天(左)と勝道上人(右)とのこと。
天平時代、下野国司若田氏高とその妻、明寿が、
子宝に恵まれないことを嘆いてこの十一面観世音菩薩に祈念したところ、
霊験あらたかに男の子を授かったという。
この子が後の勝道上人である。
その後、勝道上人はここに満願寺を開き、
さらには日光山を開いたのだという。

若田夫妻が本当にここに来たのかどうかはともあれ、
岩壁の洞穴にこれを見出した人物は、さぞかし驚いたことだろう。
闇の中にフッと浮かび上がる異形。
腰を抜かすどころではなかったはずだ。


私は誰も来ない洞窟で、長い時間十一面観世音菩薩と向き合っていた。
いや、向こうは後を向いているのだから、こっちが一方的に眺めていたのか。
鍾乳洞には柵があって、観音様のお顔は拝見できないのだ。
それはともかくとしても、ひとりで照明に照らされたお姿を眺めていると、
観音様が、というより自然の奇跡が語りかけてくるようだ。
ここの闇は、恐ろしい闇ではなくて、全てを包み込む優しい闇だった。


鍾乳洞の照明のスイッチを切って(参拝者は各自照明を点ける)岩壁を降りた。
先ほどの小屋の空間までたどり着くと、
そこには往路では気が付かなかった滝行場があった。
「大悲の滝」
日光修験の行者は、ここで21日間滝に打たれなければ、
入山は許されなかったという。

さすがに滝には打たれなかったが、水の冷たさにひやっとしつつ、
出流山を発ち日光を目指した。


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